【A型】就労継続支援A型の人員配置基準と最適な人材採用の対応方法

2023.11.10 #人材採用#就労継続支援A型


就労継続支援A型は、障害者が一定の支援を受けながら、雇用契約を結んで働くことができるサービス。管理者やサービス管理責任者をはじめ、職業指導員・生活支援員などがその支援に当たります。

そこで今回は、就労継続支援A型の人員配置基準について紹介。スタッフを採用するためのコツやノウハウについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

就労継続支援A型で必要な人員の役割

就労継続支援A型で必要な人員は、次の表のとおりです。

職種 人員配置基準 資格要件
管理者 常勤1名 なし
サービス管理責任者

(サビ管)

利用者60人以下:1名以上※1

複数勤務の場合は、1名は常勤

あり
職業指導員 常勤換算で

利用者:スタッフ=10:1、7.5:1※2

いずれか1名は常勤

なし
生活支援員

(※1)61人以上の場合

    利用者が60人を超えて40またはその端数を増やすごとに1人加えた数

    例:利用者100人であればサビ管は「2人」

      利用者105人であればサビ管は「3人」必要

(※2)利用者数は原則、前年度の平均利用者数

    新規・新設・増床の場合は、利用定員の90%で算定

以上を踏まえ、職種ごとの役割や仕事内容をそれぞれ見ていきましょう。

管理者の役割

管理者は、施設全体の管理業務を行う職種です。就労継続支援A型の運営状況を把握し、円滑に事業を進める役割を担います。

基本的に資格は必要ありませんが、指定基準において次のいずれかに該当する必要があります。

①社会福祉主事資格要件に該当する

(社会福祉士、精神保健福祉士を含む)

②社会福祉事業に2年以上従事した経験がある

③社会福祉施設長認定講習会を終了している

④企業を経営した経験(概ね1年以上)がある

また、業務に差し支えがない限り、サビ管との兼務が可能。利用者が少ない開業前後には、サビ管と兼務することが多いです。

サービス管理責任者の役割

サビ管は、個別支援計画の策定などサービス内容の指示・管理を担います。他事業所や医療機関との連絡調整も、サビ管の仕事の1つです。

他職種と異なり、サビ管は実務経験所定の研修修了という資格要件があります。実務経験は保有している資格によって、最短で1年以上、最長で8年以上の実務経験が必要。ちなみに、実務経験における1年は「180日以上」を指し、3年であれば「540日以上」必要ということになります。

また、修了しなければならない研修は「相談支援従事者初任者研修」「サービス管理責任者研修(基礎研修+実践研修)」の2つ。配置後には、5年ごとの更新研修も忘れずに受講しましょう。

職業指導員の役割

職業指導員の役割は、障害者の希望や適性に合わせて、職業上の技術を習得できるよう訓練・指導することです。働く上で大切になってくる社会的なマナーの獲得も指導します。

必要人員は、常勤換算で「利用者:スタッフ=10:1または7.5:1」。つまり、利用者10人(あるいは7.5人)を1人の職業指導員で対応するということです。

また、新規・新設・増床の場合は、利用定員の90%で必要な人員配置を計算します。例えば、利用定員が20名の事業所で、10:1の配置である場合は、次のような計算方法で算出できます。

利用定員×90%÷人員配置=20×0.9÷10

            =1.8(常勤換算で1.8名の配置が必要)

生活支援員の役割

生活支援員は、食事や入浴などの日常生活動作を介助したり、日頃の健康管理を指導したりします。時には、職業指導員と協力して、作業指導をすることも。

人員配置の考え方は職業指導員と同様ですが、どちらか一方に1名以上常勤のスタッフが必要です。

【職種別】就労継続支援A型スタッフの採用ノウハウ

ノウハウのイメージ画像

実際にスタッフを確保するとき、最も気になるのは「どんな人材を採用すれば良いのか」ということでしょう。

そこで今度は、職種別の採用ノウハウを紹介します。「人を相手にする仕事」であることの責任感や思いやりはもちろん、職種別に必要な能力を有するか見極めていきましょう。

管理者その採用

施設全体の管理業務を行う管理者は、リーダーシップやマネジメント能力が大切です。また、放漫経営によるサービスの質の低下や廃業を招かないような、責任感と向上心を持つ方を採用しましょう。

新規立ち上げ時には経営者自身が管理者を担い、基本的な流れなどを把握した上で、次期管理者に引き継ぐ方法も。業務に支障を来さない場合は、サビ管に管理者を兼務させていくのも1つの方法です。

サービス管理責任者とその採用

サビ管は、サービスの指示・管理や他事業所などとの連携を図る仕事です。そのため、利用者・家族・職員など、さまざまな立場の人の意見を丁寧に聞き取り、サービス内容に還元していく調整能力が大切になってきます。

職業指導員とその採用

職業指導員は、その事業所の業務内容に応じて、調理や農業、木工、パソコン操作など、さまざまな作業指導を行います。資格は特に必要としませんが、指導する活動に関する経験や知識、技術があると良いでしょう。他の職種よりも福祉業界の経験を必要としないため、幅広い人材を獲得しやすい職業ともいえます。

生活支援員とその採用

生活支援員の仕事は、日常生活動作の介助・健康管理のアドバイスなど。介護技術はもちろん、利用者の話にしっかりと耳を傾ける「傾聴力」が大切になってきます。

時には、職業指導員と共に作業指導に当たることもあるため、職業の垣根を超えた協力など臨機応変な対応ができる人材が望ましいです。

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