最近話題のデニムマスクを作っている障害福祉施設ってどんなところ?

2020.05.22 #障害福祉NEWSを斬る!


3月に岡山県総社市の障害福祉施設が作りはじめ、話題を集めた「デニムマスク」
5月には関係のある仙台市の同施設が作り始め、予約が殺到しているそうす。

どんな施設が作っているの?

多くは「就労継続支援B型」という障害福祉サービス事業所です。

就労関係の障害福祉サービスは
就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型があります。

B型は、「障がいにより企業などに就職する事が困難な方が、雇用契約を結ばずに働く場所」です。

よくある仕事内容は、
農作業、部品の加工、製品に刺繍をするなどの手工芸、パンやクッキーなどのお菓子作り、飲食店での調理、衣類やリネンなどのクリーニングなど。
雇用契約を結ばないため最低賃金などはなく、給料は少ないですが、時間や日数など、比較的自由に働けるのが特徴です。

B型の給与のことを「賃金」とは言わず、「工賃」と言います。
H29年に厚生労働省が行った調査によると、一か月の平均工賃は15,603円だそうです。

「工賃は仕事の売上から払うこと」というルールがあるので、お菓子の売上、今回ならデニムマスクの売上から工賃が支払われます。
例えば100円のデニムマスクを月に100枚作って売れば10,000円ですし、300枚作って売れれば30,000円となります。
(諸経費などは考慮せず)

その事業所自体はどうやって収入を得ているの?

B型事業所の運営にかかる費用は、利用者の仕事の指導をするスタッフの人件費や、家賃です。
事業所はデニムマスクの売上で家賃や人件費を払っているわけではありません。
社会保障として、税金で賄われます。
「訓練等給付費」といい、一か月の利用者数や支援体制に応じて、市区町村から振り込まれます。

なので事業所としては

・仕事を通じて得た収入→利用者の工賃
・訓練等給付費の収入→事業所の運営費(家賃や人件費)

となっています。

言い方を変えると、商品が売れようが売れまいが、事業所の収入はあまり変わりません。
今回のコロナの影響で、B型の仕事もなくなってしまうケースが続出しました。

デニムマスクにいち早く着手した岡山県総社市の取り組み。
地域の特産品を生かし、市場に必要なものを生産し、販売して利用者の工賃を確保する、素晴らしい取り組みですね。

■仙台×総社デニムマスクについてはこちら(仙台市のホームページに遷移します)
https://www.city.sendai.jp/shogai-sanka/sendai_denimmask_story.html