身体拘束廃止の未実施について【令和6年度報酬改定で減算されないための対策 その2】

2024.03.27 #グループホーム(共同生活援助)#報酬・加算・減算#法令#経営について#開業・運営ノウハウ公開#障がい福祉について


その2.身体拘束廃止の未実施による減算

 

令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に含まれる減算措置の新設/見直し。 今回は「身体拘束廃止未実施減算」について内容と報酬減算の回避方法を解説します。

 

身体拘束廃止と、未実施の減算

身体拘束等、入所者(利用者)の行動を制限する行為については

緊急やむを得ないと判断する基準として例外三原則が定められており、

三つの要件を全て満たす場合にのみ身体拘束等が認められます。

三原則を満たさない身体拘束の禁止を徹底する身体拘束等の適正化)のため

令和3年度に身体拘束廃止が義務化され、すでに令和5年4月から身体拘束廃止の未実施減算が始まっていますが、今回の改定で減算単位が変わります。

身体拘束の廃止措置を実施していない指定障害福祉サービス事業所等は、入居者全員について所定単位数から減算されます。

 

【参考】身体拘束禁止の対象となる行為の例

 

【参考】例外三原則(身体拘束を行う3つの要件)

 

身体拘束廃止未実施減算の減算単位令和641日から)

現行で5単位/日の減算ですが、

令和6年4月1日以降は所定単位数の10%または1%の減算になります

施設・居住系サービス(障害者支援施設、共同生活援助、等)

→所定単位数の10%

訪問・通所系サービス(短期入所、就労継続支援A/B型、等)

→所定単位数の1%

身体拘束廃止未実施減算の基準

以下①~④の基準をいずれか1つでも満たさない場合に減算が適用されます。

この基準自体に変更はなく、現行と同じです。

(厚生労働省の資料を参照)

① 身体拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その他必要な事項を記録すること。

② 身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を図ること。

③ 身体拘束等の適正化のための指針を整備すること。

④ 従業者に対し、身体拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。

何が減算の算定要因になるのか、施設・事業所は具体的にどうすればよいのかを順に見ていきましょう。

   基準① 身体拘束等を行う場合の必要事項の記録

減算の算定要因:身体拘束等を行う場合の必要事項の記録を取っていない/記録が不十分である

減算されないためには、

以下(1)~(4)の手続きを踏んで「緊急やむを得ない」と慎重に判断した上で身体拘束等を行い、必要事項の記録を正しく作成・保存します。

・緊急やむを得ない、つまり三原則(切迫性・非代替性・一時性)を全て満たしている状況を詳細に記録しましょう。

・必要な書式・様式は、各都道府県・自治体や介護施設等のサイトで公開している事例集やテンプレートを利用しましょう。

【参考】宮城県の作成例(Wordファイル)

参考様式① 身体拘束適正化検討委員会議事録

参考様式② 緊急やむを得ない身体的拘束に関する説明書

参考様式③ 緊急やむを得ない身体拘束に関する利用者の日々の態様記録

参考様式④ 身体拘束適正化 対応フロー図

 

緊急やむを得ず身体拘束を行うときの手続き

(1)組織による決定と、個別支援計画への記載

・個別支援会議等において組織として検討・決定し、議事録に記録します。

・緊急やむを得ない身体拘束に該当するか、三原則の該当状況を具体的に確認し、特に代替案について検討します。

・身体拘束が必要であると判断したら、医師、家族等との意見調整を進める担当者を決め、いつ、どのような拘束を実施するのかを検討します。

・決定した身体拘束の方法、期間、時間と、緊急やむを得ない理由を個別支援計画に記載します。

(2)本人・家族への十分な説明と、行政への相談・報告

・本人・家族の同意を得られたら説明書/同意書に署名捺印してもらいます。

・事業所で抱え込まず、市町村の障害者虐待防止センター等、行政に相談・報告して、関係する機関と連携しましょう。

(3)必要な事項の記録

・身体拘束を行う場合には、身体拘束に関する利用者の日々の態様記録(経過観察・再検討記録)として、身体的拘束等の方法、時間、その際の利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由と、拘束解除に向けた具体的な検討内容などを記録します。

(4)再検討

・身体拘束が引き続き必要か、いつ解除できるか、経過観察と再検討を続けます。

 

   基準② 身体拘束適正化検討委員会を定期的に開催し、その結果を従業者に周知徹底する

減算の算定要因:身体拘束適正化(身体拘束廃止)のための対策を検討する委員会が年に1回も開催されていない/結果が十分に周知されていない

減算されないためには、

身体拘束適正化(身体拘束廃止)の検討委員会(会議)を年に1回以上開催し、

その報告・協議内容と結果を通知文書で全職員に徹底周知します。

・虐待防止委員会との一体的な運営や法人単位での委員会も可能です。

・施設の定例会議など既存の会議や委員会で身体拘束等の適正化について取り扱うことでも開催と見なされます(適正化の責任者・担当者の参加と議事録は必須です)。

・オンライン会議可、周知の方法など、委員会の基本的な要件は虐待防止委員会と同様です。

【参考】宮城県の議事録等作成例(Wordファイル)

参考様式① 身体拘束適正化検討委員会議事録

身体拘束適正化委員会の役割(以下、厚生労働省の資料を参照)を果たし、

それを議事録に記録して周知を徹底しましょう。

   

   基準③ 身体拘束等の適正化のための指針を整備する

減算の算定要因:身体拘束等の適正化のための指針を整備していない

減算されないためには、各都道府県・自治体や介護施設等のサイトで公開している事例集やテンプレートを利用して「身体拘束等の適正化のための指針」を作成し、全職員に周知徹底します。

【参考】(厚生労働省資料)「障害者虐待防止及び身体拘束等の適正化に向けた体制整備等の取組事例集」(PwC作成)、「身体拘束等の適正化のための指針」(87ページ)

指針で示すべき項目は以下のとおりです。(厚生労働省の資料を参照)

 

   基準④ 従業者に対し、身体拘束適正化の研修を定期的に実施する

減算の算定要因:身体拘束の適正化の研修が年に1回も開催されていない

減算されないためには、

身体拘束に関する以下のような研修を計画し、年に1回以上実施します。

担当者を決め、研修記録を作成・保存しましょう。

A.身体拘束に関する研修情報を行政機関や基幹相談支援センター等から収集し、それらの機関が実施する研修に参加する。 B.域内で大規模な事業所や法人等が行う合同研修に参加する。 C.外部研修をもとに事業所所内で研修を実施する。 D.虐待防止に関する研修など、他の研修と一体的に実施する中で身体拘束等の適正化について取り扱う。

・研修に参加できなかった職員に対しては、研修を録画して視聴してもらったり、研修の参加者が所内で伝達研修をしたりしましょう。

・新規採用時には必ず虐待防止・身体拘束適正化研修を実施しましょう。

 

虐待防止・身体拘束等の適正化のための体制整備に向けたチェックリスト

【参考】(厚生労働省資料)「障害者虐待防止及び身体拘束等の適正化に向けた体制整備等の取組事例集」(PwC作成)、チェックリスト(15~16ページ)

 

以上、身体拘束廃止未実施減算の基準と、減算にならないための方法を見てきましたが、事例集など参考資料が便利ですので、ぜひ有効利用しましょう。

     
 

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